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CD box 「イーヴォ・ポゴレリチ/DG録音全集(14CD)」 履歴を調べたら、購入は2018年3月26日 

購入は HMV で、購入価格は 5,335円(:貧乏学生根性で計算すると、稀有なCDが381.07円/1枚) 

イーヴォ・ポゴレリチ/DG録音全集(14CD)」 の解説文を自身の備忘録・生涯研修資料として引用した。

異端のピアニスト、ポゴレリチが22歳から36歳にかけてドイツ・グラモフォンで制作した14枚のアルバムを全部集めたお買得ボックス。それぞれのディスクはオリジナル通りの曲目でオリジナル・デザインの紙ジャケットに封入されています。
巨大な『展覧会の絵』や、怒涛のようなショパンのスケルツォなど、当時のポゴレリチの演奏は唯一無二の解釈で彩られたものが多く、今聴いてもその衝撃力には凄いものがあります。
クロアチア人の父とセルビア人の母の間に生まれたポゴレリチは、1980年のショパン・コンクールでの賛否両論により、アルゲリッチが抗議して審査員を辞任するという騒ぎがありましたが、そのせいでかえって注目を集め、4ヶ月後にはドイツ・グラモフォンへのレコーディングを開始し、ほどなくカーネギー・ホールでデビュー・リサイタルもおこなうという華やかなキャリアをスタートすることになります。
ポゴレリチの音楽に決定的な影響を与えたのは、18歳から教えを受けたグルジア人ピアニストのアリザ・ケゼラーゼ(ケジェラッゼ)でした。ケゼラーゼからの影響は音楽だけにとどまらず、ポゴレリチはショパン・コンクールの年に熱烈に求婚して21歳年上の彼女と結婚、大胆な解釈をさらに深め、精力的でユニークな演奏活動を展開します。しかし彼女が1996年に癌で亡くなってしまうと、ポゴレリチはレコーディングをやめてしまい、さらに4年後に父親も失うと重度の鬱病のために演奏活動から一時退くこととなってしまうのです。
現在は再びユニークな演奏活動を展開しているポゴレリチですが、彼がドイツ・グラモフォンでつくりあげた素晴らしいアルバムの数々は、今後もその輝きを失うことはないでしょう。ちなみに1995年に録音されたショパンのスケルツォは、亡くなったアリザ・ケゼラーゼに捧げられています。(HMV)

CD box「イーヴォ・ポゴレリチ/DG録音全集(14CD)」 の索引

[Disc 1 ショパン:ピアノ・ソナタ第2番、他]

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[Disc14 ショパン:スケルツォ第1~4番]

Disc1
ショパン:
● ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35『葬送行進曲付』
● 前奏曲 嬰ハ短調 Op.45
● スケルツォ第3番嬰ハ短調 Op.39
● 夜想曲 変ホ長調 Op.55-2
● 練習曲 ヘ長調 Op.10-8
● 練習曲 変イ長調 Op.10-10
● 練習曲 嬰ト短調 Op.25-6
録音時期:1981年2月
録音場所:ミュンヘン、ヘルクレスザール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

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Disc2
● ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
● シューマン:交響的練習曲 Op.13
● シューマン:トッカータ ハ長調 Op.7
録音時期:1981年9月
録音場所:ミュンヘン、ヘルクレスザール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

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Disc3
ショパン:
● ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21
● ポロネーズ第5番嬰ヘ短調 Op.44
シカゴ交響楽団
クラウディオ・アバド(指揮)
録音時期:1983年2月
録音場所:シカゴ、オーケストラ・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

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Disc4
● ラヴェル:夜のガスパール
● プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第6番イ長調 Op.82『戦争ソナタ
録音時期:1982年10月
録音場所:ミュンヘン音楽大学
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

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Disc5
● チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23
ロンドン交響楽団
クラウディオ・アバド(指揮)
録音時期:1985年6月
録音場所:ロンドン、ワトフォード・タウン・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション

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Disc6
J.S.バッハ:
● イギリス組曲第2番イ短調 BWV.807
● イギリス組曲第3番ト短調 BWV.808
録音時期:1985年10月
録音場所:スイス、ラ・ショー・ド・フォン
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
遅いテンポ設定に驚かされるバッハ。同様に遅い演奏のグールドが、各曲の関連性やその性格の多様性を提示するスキルに長けていたとすれば、このポゴレリチはより自由な演奏スタイルで、現代ピアノの多様な響きと機能性、そして作品の和声構造と立体性を追求したものと言えるかもしれません。

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Disc7
● ショパン:24の前奏曲 Op.28(全曲)
録音時期:1989年10月
録音場所:ハンブルク、フリードリヒ・エーベルト・ハレ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
「24の前奏曲」の代表的名盤とされるポリーニ盤のトータル・タイムが37分、アルゲリッチ盤が33分なのに対し、このポゴレリチ盤は実に45分を要しています。といってもピリス盤(41分)のように全体が遅めなのではなく、速い部分は速く、遅い部分はより遅くという流儀が徹底されているためなのですが、中でも圧巻なのは、曲集の白眉でもある『雨だれ』でしょう。ポゴレリチはここで7分22秒もかけ、なおかつ圧倒的な重みを持った打鍵により、作品に内蔵される深い情感をえぐりだしているのです。通常のマジョルカ島の雨といったようなイメージではなく、雨がもたらす人間のさまざまな思いを描いたとしか思えないすごい演奏です。その他の曲も、ポゴレリチならではの克明な性格づけが印象的な仕上がりとなっており、曲によってはアルゲリッチよりも速いテンポで弾かれるなど、その表現レンジの広大さは驚くばかりです。

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Disc8
● リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調
● スクリャービン:ピアノ・ソナタ第2番嬰ト短調 Op.19『幻想ソナタ』
録音時期:1990年12月
録音場所:ハノーファー、ベートーヴェンザール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

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Disc9
ハイドン:
● ピアノ・ソナタ第46番(31番)変イ長調 Hob.XVI:46
● ピアノ・ソナタ第19番(30番)ニ長調 Hob.XVI:19
録音時期:1991年8月
録音場所:ハノーファー、ベートーヴェンザール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

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Disc10
D.スカルラッティ:
● ソナタ ホ長調 K.20/ L.375
● ソナタ ホ長調 K.135/ L.224
● ソナタ ニ短調 K.9/ L.413
● ソナタ ニ長調 K.119/ L.415
● ソナタ ニ短調 K.1/ L.366
● ソナタ ロ短調 K.87/ L.33
● ソナタ ホ短調 K.98/ L.325
● ソナタ ト長調 K.13/ L.486
● ソナタ ト短調 K.8/ L.488
● ソナタ ハ短調 K.11/ L.352
● ソナタ ト短調 K.450/ L.338
● ソナタ ハ長調 K.159/ L.104
● ソナタ ハ長調 K.487/ L.205
● ソナタ 変ロ長調 K.529/ L.327
● ソナタ ホ長調 K.380/ L.23
録音時期:1991年9月
録音場所:ハノーファー、ベートーヴェンザール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

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Disc11
ブラームス:
● カプリッチョ 嬰ヘ短調 Op.76-1
● 間奏曲 イ長調 Op.118-2
● 2つのラプソディ Op.79
● 3つの間奏曲 Op.117
録音時期:1991年7月
録音場所:ハノーファー、ベートーヴェンザール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
遅いテンポで作品にじっくり取り組んだ演奏ながら、弛緩の表情を一切見せず一貫したテンションを持続することに成功しています。いずれの曲も、1音1音克明かつ丹念に弾きこみながら決して情緒過多にならず、知と情のバランスを拮抗させる手腕がさすがです。

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Disc12
● ムソルグスキー:展覧会の絵
● ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
録音時期:1995年8月
録音場所:ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
42分を超える『展覧会の絵』、20分近いラヴェルと、ほとんど異常とも思えるテンポ設定。しかもそのテンポならではのエグイばかりの細部強調と音色操作によって、作品から新たな可能性を引き出してしまうポゴレリチの大傑作。

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Disc13
モーツァルト:
● 幻想曲 ニ短調 K.397
● ピアノ・ソナタ第5番ト長調 K.283
● ピアノ・ソナタ第11番イ長調 K.331『トルコ行進曲付き』
録音時期:1992年6月
録音場所:ハンブルク、フリードリヒ・エーベルト・ハレ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

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Disc14
ショパン:
● スケルツォ第1番ロ短調 Op.20
● スケルツォ第2番変ロ短調 Op.31
● スケルツォ第3番嬰ハ短調 Op.39
● スケルツォ第4番ホ長調 Op.54
録音時期:1995年9月
録音場所:ワトフォード、コロッセウム
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
その攻撃的なまでの情熱の激しさと、めくるめく転調によってもたらされる数多くの優美な楽想の交錯が、ショパン作品の中でも、随一と言って良い強烈なロマンを発散する《スケルツォ》。
ポゴレリッチのアプローチは、これまでのどの演奏よりも表情づけが濃く、大胆なピアニズムには圧倒されるばかり。冴えわたる音質も特筆ものです。アレグロ部分など早い箇所は疾走するかのようなスピードで、反対に中間部では非常にゆっくりした速度に変えて旋律や内声部を紡ぎ出すという、大胆ともいえるテンポの緩急の対比が衝撃的です。
音色面でも一種ドスを利かせた激しい音色と、軽妙で叙情豊かな瑞々しい音色など柔と剛を対比させることで、ショパンの音楽から面白いほどドラマの起伏と多面性を引き出しています。


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